◆注目のアーティストから、業界のホットなニュースまでユーロビートの様々な話題をピックアップしてお届けします!

■掲載記事に対する事実確認
公式サイト「Spagna Online」のホームページからの引用が主題となっていることから、結果として後日になってしまいましたが、本人からの電子メールによって掲載承諾をいただきました。また当方が撮影したアナログレコード画像を彼のサイトへ提供しました。しかし残念ながら2002年11月30日をもってサイト「Spagna Online」が移転したことに伴って彼に関するページが削除されてしまいました。もしかしたらキャッシュとかで見れるかもしれません。


VOL4 Theo Spagna

J-EURO REMIX以降、メキメキと復調の兆しが見え、一般のユーロビートでも品質が安定してきたTIME RECORDS。95年に続き、99年にもプロデューサー、ライターが大量離脱しもうだめかと(笑)囁かれましたが、そこは天下のDall'Ora御大、長年のキャリアと奇才ぶりでパートナーのLuca Deganiと共に地の底から這い上がって来ました。



このような状況の中、2000年にユーロマニアにとっては衝撃的なニュースがもたらされました。Theo SpagnaことGiorgio Spagnaの復活です。イタリアハイエナジー界の重鎮として80年代から活躍する作家。あの「WHIGFIELD」を手がけたLarry Pignagnoliと共に姉であるシンガー「Spagna」を世界的に成功させた人物としてあまりにも有名な作家です。またユーロビートでも92年からずっとTIME-RECORDSに楽曲を提供。哀愁作品からハイパーナンバーまで幅広いヒットを生み出していました。



↓Giorgio Spagna代表作
TAKE ME UP&DOWN Lou Grant
AFRICA Dave Hammond
ON FIRE Sally Randel
OH MY OWN Silver
BAD BOY Danny Keith


彼は「Spagna」のプロデュース、プロダクションの傍ら70年代からダンスミュージックの制作にも関わり、古くは”MEMORY RECORDS”に楽曲を提供していました。そして古くからの友人であるSergio Dall'OraのオファーによりTIME-RECORDSに楽曲を提供していました。ユーロビート以外にもROBYX Production率いるDWAレーベルにA.Gordonと共に楽曲を提供しています。

今ではすっかり少なくなった生え抜きのイタロディスコ魂を持った”漢”といえるのはもはや彼しかいないのではないでしょうか。彼が書き上げるメロディ群は時には底抜けに明るく、そして時には抜群の哀愁感を引き立てる極上のものばかり。それはやがて日本人の感性に受け入れられるユーロビートを生み出した”イタロディスコ”という原点に回帰するサウンドと呼ぶのにふさわしいと思います。


97年にTIME-RECORDSから姿を消して以降その去就は全くの謎でしたが、復活のきっかけはSergio Dall'OraがSPAGNAのニューアルバムのプロダクションに参加したことがきっかけでした。彼らはその場で意気投合し、再びユーロビートシーンに戻ることを決意。COLORS OF MY HEARTをスタートに渾名の”Theo”名義で以後継続的に楽曲を提供しています。

多くの若い作家達が”ユーロビートの進化”の名のもとに過去のスタイルから脱却をはじめた中で再びリリースされはじめた彼の楽曲はそのままのテイストでした。Mixこそ進化の波に押されながらもそれに流されまいと得意の哀愁メロディを武器に「俺達がユーロビートを作って来たのだ」と言わんばかりの強烈な自己主張さえも聞こえて来ます。そしてもちろんそのサウンドは千の言葉を交わすよりも万の時を過ごすよりも固い契りで結ばれた老練の”イタロ漢”たちによって作り出されているといっても過言ではありません。
(←過言)


かくいうFIREは彼のサウンドがなければ全面的に応援しますってことで今日は彼の手がけるこれまた個性的なアーティストを中心にレビューとその周辺情報をお届けします。


Giselle


BABY I'M SORRY

GISELLEは91年2月にシングル「BABY I'M SORRY」でデビュー。これはEUROBEAT FANTASY VOL15に収録されています。プロデュース、作詞、作曲ともにSergio Dall'Ora御大の単独作品です。既にこの頃から御大は「BIG SAMRAI」「VIDEO GAMES」など個性ある路線を突き進みつつあったのですが、この曲に限ってはなんとも爽やかさのみが漂うPOPナンバー。この一作のリリースの後彼女はシーンから姿を消すことになります。

そして世紀をまたいで2001年、突然の復活を遂げます。それからはTIMEのメジャーアーティストの一人になったかのように立て続けにシングルをリリース。現在までに3作リリースされています。

1st SINGLE
COLORS OF MY HEART
(T.Spagna-S.Dall'Ora) SEB112
最初聞いた時はとにかく驚きましたね〜。ポシティブという言葉も物足りないようなルンルンPOPテイストが当時とソックリ。さらにボーカルもデビューの時と似てるような似てないような微妙なトコを狙っております。"Theo(Giorgio) Spagna"の復活第一作でもあり彼ならではの哀愁含みのメロディパターンが秀逸です。



Marianne&SUSAN KEY
こちらはさしずめTheo Spagna様専用?といった新人アーティスト群。ボーカルはどれも同じのようですが(^^; かってDELTAで「SAY YOU WILL」を歌ってたLARABELLEの人にそっくりです。クールで控えめな物腰がユーロボーカル界にひとときの清涼感を与えてくれるような(笑)そんな感じがします。 個人的にはこのボーカルさんはDELTAよりもTIMEで歌う方が個性がよく浮き出ていて良いと思うのですがどうでしょう?

Marianne  

1st SINGLE
LOVELY DAY
(T.Spagna-S.Dall'Ora) SEB112
最初聞いた時はとにかく驚きましたね〜。ポシティブという言葉も物足りないようなルンルンPOPテイストが当時とソックリ。さらにボーカルもデビューの時と似てるような似てないような微妙なトコを狙っております。"Theo(Giorgio) Spagna"の復活第一作でもあり彼ならではの哀愁含みのレトロなメロディパターンが秀逸です。

SUSAN KEY
LOVE TRAIN/SUSAN KEY
(T.Spagna-S.Dall'Ora) EUROMACH9

ついにきたよきたよ、Extendedが!久々の複雑すぎるリフに卒倒!キュートなA♪B♪C♪と「1,2,3」にバースト!、そしてポッポーに昇天♪これを聞かずになにを聞く!今年度ユーロNO3くらいにランク決定だわ。

まあ冗談はこれくらいにしておいて、これね、表面上はすんげぇポッピーなんですけど、 なんというのかなぁ、明るさをもとめたいのだけど、ついでに切なさもいっしょに…なんてヨクバリな欲求を満たしてくれる曲。よく考えたらこれって昔のユーロでは当たり前だったような…。かゆいところに手の届くTheo様をやっぱりステキ☆

 


NIGHT TO NIGHT

(T.Spagna-S.Dall'Ora) SEB115
ちょいとBPMを落としてアダルトなムードを引き立たせた本作はMarianneの真価を発揮した楽曲といってもよいでしょう。高揚と抑制のボーダーラインを終始さまよい続けるボーカルパート、そしてサビメロの後にシンセで余韻を持たせた小節を挟むところなどなど、ただの哀愁と思えばそれは大きな間違い。よすぎです。

NIKI NIKI  



SUMMER
(G.Spagna-S.Dall'Ora) SEB121
そうなのです、これはパクリでもなんでもないのです。Spagnaのメロディ、Spagnaが作ったフレーズであり、そこにたまたま「BETTER LOVE」があっただけでなにも驚くことはないのです。まあともかくBPM変ってもなんら色褪せない雰囲気を作れるなんて最高に思います。


というわけで…
Spagnaさんは現在のリリース状況からみて今後も継続的に楽曲提供をおこなうことは間違いないでしょう。次からは「AFRICA」、「ON FIRE」クラスのビックヒットを飛ばしてほしいものですね♪

なお、Ivana SpagnaさんのオフィシャルホームページにTheoさんの詳しいBioもありますので興味ある方はぜひ拝見してください。


http://www.spagnaonline.com/