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◆注目のアーティストから、業界のホットなニュースまでユーロビートの様々な話題をピックアップしてお届けします!

■掲載記事に対する事実確認
CDのレビュー、筆者自身の考察によって構成しています。

VOL8 Luca Perniciのその後

Luca PerniciについてはE-Dicの方でいわゆるダンスポップからエレクトリックジャズの分野へ活動を移していると書きました。他アーティストとのコラボーレーションが非常に多かった彼なんですが、一年前から自らのユニットを結成していることが判明していました。12inchのみのリリースで手に入りづらかったのですが、ちょうど11月にそのファーストアルバムがリリースされ、日本に入って来たこともあるので今日はそれでもご紹介しつつ、彼の素晴らしい過去を振り返ってみましょう。

Luca Pernici 実は日本でも去年辺りから紹介されつつあった彼の新ユニットのジャンルはいわゆる「ラウンジミュージック」。その中でもクラブ系で通用するようなメイキングとなっています。もちろん歌モノではなく全編インスト。いっときますがユーロビートテイストなんて期待してはいけません(笑)。ちなみにリリースされている”SCHEMA”レーベルはこの手のジャンルにおいてはイタリアで1、2を争う名門レーベルなんだそうです。

Fragment Orchestra Fragment Orchestra
SCCD332/SCEMA RECORDS
All tracks written,arranged and mixed by Luca Pernici&Giulio Vetrone
Produced by Fragment Orchestra @Nusound musiclab
Masterd at Nusound musiclab
Deepest gratitude to:
Stefano "Moustapha" Marcato

こちらから詳細情報、購入ができます。

◆アルバム紹介

Fragment OrcehstraはlucaとGiulio Vetroneによって結成されたユニット。イタリアのDJ/Producerグループである"Maffia Sound System"での出会いがきっかけでした。コンセプトはジャズをベーシックとしながらも生楽器は極力使わずにそのほとんどが打ち込みでメイキングされている”エレクトリック・ニュー・ジャズ”。従ってアナログ的なロジックは極力省いたアプローチがなされています。

実際に聞いてみると全体に流れる雰囲気は”SMOOTH”の一言。ただただ音そのものの美しさだけを追求したようなシンセ、ピアノ、パーカッション、サンプリングなどのパーツが個々の主張を持ちつつも、これまた絶妙なミックスによって"COOL"なアンビエントを作り出しています。こじつけでないことを書いておくが、”雰囲気”に関していえばユーロビート時代を彷彿とさせる、いやより進化した独特の”都会的な”質感が楽しめるでしょう。サウンドテイストについて言えば、ラテンフレーバー全開の曲もありながら全体的にボッサな匂いが強いです
。ちょっと曲でもピックアップしてみましょう。 ちなみにこのアーティストの成功度をもっと詳しく知りたければこちらをご覧ください。

2.Sambita
密林地帯の壮大であり、また神秘的な風景を思わず思い起こさせるナンバー。そこにはユーロ時代に見せた華やかさはどこにもない。しかしコンガ、ティンバレスの小奇麗かつゆったりとしたリズムに乗せて、一見無機質のようにも見えるピアノ、サンプリングなどが彼のリアリズムあふれるMIXに融合してチルアウトで上品な雰囲気を醸し出している。

3.metropolis
正統派ダンスビートが最も色濃くでている作品だから耳馴染みは良いかも。かれこれ昔には”technopolis”なんてありましたが、こちらは地味に都会の雑踏の一部分を切り取ったような哀愁感が漂う。ちなみにシンセはユーロ諸兄にはおなじみ"DX7"を使用しているそうだ。

5.sunlit
いかにもといったJazzy track。チルアウト・グルーブに反比例するように朝の日差しのようにホーンセクションがじわじわっとエッジを効かせてくるスケール感高い曲。

7.split's voice
彼がもっとも神秘的な地として関心を寄せている”Africa”へのオマージュ的作品か?原住民のようなヴォイスがこだまする中、和洋折衷的(?)にオルタナティブなビートとピアノが交錯した傑作。個人的にオススメ!

9.Carioca
12inchでリリースされた1stシングルから。”夏”としか例えようがないラテンパーカッションのうねりが圧巻です。サンバリズムに笛も入ってきて盛り上がるには最適の一曲。8月くらいに聞きたいです。

10.funkita(for the Dining Rooms)
ノリが良い小刻みなリズムトラック、躍動感たっぷりのカッティングギター…このアクティブに彩られたサウンドは日本のダイニングルームには不向きか?(笑)というくらいフットワークに満ち溢れたアンビエントを作り出しています。



◆【考察】結局ユーロビートに戻る可能性はあるのか?

これを機会にいろいろと調べてみましたが、ほとんどないのでは?というのが結論です。というより戻る必要性が感じられない。彼の音楽的変遷としてはユーロビート<ダンスポップ>ハウス>ジャズと来ていたのですが、渡り歩くうちにそのセンスはミュージックシーンにおいて高く評価されつづけていきました。たとえばFragment Orchestraは世界中のDJ達のマストアイテムと化していますし、また並行してイギリスのクラブシーンのカリスマ的DJ”GILES PETERSON”にも見出されるなど非常に活動がワールドワイドとなってきています。TIME離脱後は独立してプロダクション”homework srl”を設立。続いてスタジオ”NUSOUND Musiclab”を立ち上げ、マスタリング設備も完備するなど音楽環境も素晴らしいの一言。いまさら日本だけのユーロビートに‥ってことです。。

思えば、彼のユーロビート時代というのは某プロデューサーの言葉を借りれば”トレーニングの時間”だったと。ユーロビートそのものの音楽性に傾倒することなく、悪く言えばビジネスライクにアレンジやミックスの美しさを追求しただけのように見えます。その証拠にサウンドそのものには革新的な美しさがありましたが、ベーシックとなるメロディについては非常にオーソドックスでトラディショナルなものに頼らざるを得なかった。”同じメロディー大量生産”なる異名はここから来ているのだと思います。

だからといってサウンドには一切手抜かりがなかったことも事実。A-BEAT C時代の”JUNGLE NIGHT”やTIME移籍直後の楽曲で見せたラテン・アフリカンテイストに満ちたトラックメイキングはまさに彼の信念そのものを体現していると言ってよいでしょう。
Luca Pernici


というわけで、おそらくユーロ界まれにみる大出世を遂げている彼ですが、まぁ、進むべく進んだ道として応援してあげましょう。しっかし、才人ほど離れていってしまうユーロビートという音楽は一体‥。

Luca Perniciのホームページ”Homework ”
http://www.homework.it